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太極拳「ゆったり表演服」は着ることが表演の一部なのです [太極拳]

太極拳の表演競技に参加するとき、選手は「表演服」と呼ばれている特殊な服を着ます。太極拳の表演動画をご覧になられたことがある方なら、「あ、アレね」と思い当たると思います。「光沢のある柔らかそうな生地、ゆったり上着にだぶだぶパンツ」のアレです。

あの服ですが、地方大会などにおいては「ユニフォームは指定しないが、武術太極拳の競技に適した服装をすること」程度のルールですが、全国大会ではけっこう厳格な「きまりごと」があります。
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服装規定抜粋(画像共) 日本武術太極拳連盟のホームページより

第26回大会より,服装規定が一部変更となり,下記の種目に出場する選手は統一デザインユニフォームを着用しなければならない。

●太極拳ユニフォーム
色: A,B,C3種類とも,色は自由。但し,上着とパンツは必ず同色とする。各種類とも,刺繍,スパンコール,グラデーションなどの装飾や色変わりは不可。
BのパイピングおよびCの脇・袖内側切替は別色可。但し,別色は一色とし,複数色は不可。
上着:ファスナーによる前開き式とする(ファスナーは,上下全面使用でも,上部半分使用でも可)。
右側寄り,または左側寄りの偏開き方式は不可。チャイナボタン,中国組紐ボタンは禁止する。

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ここまで規定するのには、理由があります。
一言でいうと「競技大会としての風格を保つこと」です。
ひところ参加選手の服装は、中国選手を中心に、華美なデザインに自由化され、とてもスポーツ競技大会とは思えないものになっていったようです。
武術太極拳を、オリンピック正式種目を目指す国際的な競技スポーツとして発展させるためにはこれではまずい!ということで、全国大会での統一デザイン競技用ユニフォームの着用を義務付けてきた、というわけです。

私も競技会に出場する際には、日本規定ファスナー式のアレを着るのですが、家族からは白い目で見られております。「怪しげなカルト教団の信者を連想する」というのがその理由だそうです。失礼な!!

今年、私が参戦した、第25回大阪府武術太極拳大会の記事をこちら に書いています
お時間許せば、併せてご覧ください!

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あの「ちょっとだぶついた、ゆったり具合」には意味があります。
「弛み」を表現するのに都合がいいのです。

太極拳を練習するとき、動作を覚えることと一緒に必ず要求されることが
「弛める」ということです。

具体的に言うと
「肩を沈める」「肘を落とす」「腰を和らげる」「重心を落とす」
などを注意しながら套路(型)を練習するわけです。

表演競技では、それらのことが「見て、ちゃんとできているでしょ!」
ぐらい、ちょっとオーバーに表現すると点数が稼ぎやすいのです。

ゆったりした布の垂れ下がり具合が、
「力まずに動いていますよ、ゆったり立っていますよ」感を助長してくれます。
早い話が、うまく見せるためのアイテムなのですよ。

ただし、だぶだぶすぎるのも見苦しいものになります。
自分の身体にフィットしながらも、ゆったり感があるのが理想です。

身体に合った表演服は、
体をリラックスさせながらも、競技者としての気持ちを高めてくれる、
そんな重要なアイテムでもあるのです。


太極拳に興味が無かったら、かなりどうでもいい話だったとは思いますが、
それでも読んで頂けたのなら、そのイキオイで、
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「中国武術雑誌」はどうなった。そしてインターネットの功罪をちょっと嘆く。 [太極拳]

インターネットが普及していなかった頃、雑誌は貴重な情報源でした。
私が好きな「太極拳・中国武術」にも、かつては色々な専門誌がありました。

本日は、私の手元に残る数種の専門誌を中心に、その歴史を振り返ってみたいと思います。
但し、各誌の書評は、私の「独断」と「偏見」に満ちたかなり怪しいものであるとお断りしておかなければなりませんが。


1982年に公開されたリー・リンチェイ(ジェット・リー)主演の映画「少林寺」が大ヒット。たちまち中国武術の大ブームが起きました。
それを受けて、いくつもの中国武術関連の雑誌が創刊されます。
代表的なものを2誌あげておきます。

・中國武術 ベースボールマガジン社

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太極拳をはじめとした、表演競技としての武術を中心とした編集の季刊誌でした。
印象としては「業界紙」。「こんな事がありました」的な記事が多かったように思います。


・武術(ウーシュウ) 福昌堂

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マニア向けの「実戦的」とされる伝統武術を中心とした編集。故 松田隆智氏がよく寄稿されていました。八極拳や心意六合拳といった、それまであまり耳にすることもなかった拳種を、メジャーなものにした功績は大。ブームに乗って月刊誌としてスタートしたけれど、いつの間にやら季刊誌に。

両誌とも、私が本格的に太極拳を習いだした、90年代初期より購入しだしました。
正確には憶えていませんが、「中國武術」は90年代半ばには廃刊になったのではないでしょうか。「武術」の方は頑張ったのですが2004年冬号で休刊となっています。


1993年には映画「天地大乱」がヒット。主演のリー・リンチェイが再び脚光を浴び、中国武術にも注目が集まる中、満を持して、よりマニアックな雑誌が創刊されます。

・武藝 中国武術 BABジャパン

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内容はかなり専門的に突っ込んだ記事が多く、この私が「読むのめんどくせー」と思うレベルでした。生ける伝説 蘇昱彰老師の記事が多かった印象があります。これも月刊誌→季刊誌→フェイドアウトみたいな流れで、わりと短命に終わったようです。


「武藝 中国武術」に遅れること約1年。孤高の太極拳専門誌が創刊されます。

・太極(たいちー) 長征社04.jpg

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こちらは専門的を通り越して、宗教レベルの太極拳専門誌でした。創刊号は、徐才や馮志強といった中国武術界の錚錚たる名士から寄せられた祝辞が巻頭を飾り、華々しくスタートを切りましたが、2号で廃刊となってしまいました。


時は流れて2007年。中国武術ブームでも何なんでもないこの時期に、空手雑誌の姉妹誌として、久々に本格的な中国武術専門誌が創刊されます。

・J Kung-Fu [ジェイ・カンフー] CAMP

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「JK Fan 空手道マガジン」の別冊という形で創刊。表演武術から伝統武術まで幅広く網羅され、内容も相当に深いレベル。おまけに記事に準拠したDVDまで付いているという凝り様です。あまりの充実度に、「力入りすぎやろ、大丈夫か?」と思ったのですが、予感的中。
2号が出ることもなく廃刊となってしましました。


そして2014年、新たなスタイルの太極拳専門誌が創刊されました。

・TAI CHI LIFE  マーブルブックス

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太極拳を取り入れた生活を提案する、どちらかといえば女性をターゲットとした編集のようです。どうも私のようなコアな太極拳好きには物足りない内容みたいですね、読んだことないけど。この雑誌、3号まで発行されましたが、止まっています。事実上廃刊でしょうね。

やっぱりこの手の専門誌は、バックでブームみたいなものがなければ存続は難しい、ということですね、残念ながら。


2016年、「武術」の福昌堂が倒産しています。原因は言わずと知れたインターネット普及による書籍・雑誌の売り上げ激減。活字好きにとっては、時代の波を感じるさびしい話です。

私は、時折思い出したように、古い雑誌を開くことがあります。
パラパラとページをめくる中で、ふと目にとまった記事に、当時の思い出を重ね合わせ悦に入る、なんてことは雑誌という紙媒体ならではのシチュエーションですよね。

このご時世でも、新店舗をオープンさせている大型書店ジュンク堂の例もあります。
やり方は「ある」という証だと思うのです。
紙媒体の雑誌という文化の火を、絶やさないでほしいと願うばかりです。


特に買いたい本がなくても本屋に行くのが好きだ、という方は
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第25回大阪府武術太極拳選手権大会 [太極拳]

今日は、私の日記です。

第25回大阪府武術太極拳選手権大会
に、参加してきました。

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大会日程は2月17日(金)、18日(土)、19日(日)の三日間。
競技参加者はのべ(複数の競技参加者があるため)1300人程度。
内、女性が7割ほどを占めています。
太極拳=オバサンのイメージを持っている方が多いと思いますが、
その通りでした(笑)。

年齢層は高めです、やはり。
でも、小中学のちびっこ達の、長拳などのアクロバティックな種目もありました。

私は、18日(土)に行われた
男子24式太極拳F(満50歳以上59歳以下)
に参戦。

結果は3位。
銅メダルをいただきました。

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優勝するつもりで参加していたので、ちょっと悔しい。
でも、やっぱり嬉しい。

表演は、体育館の床に敷かれた絨毯の上で行われました。
この絨毯が曲者!

普段、硬い床の上で練習しているものにとって、あの柔らかさは違和感MAXです。
また、私はこの大会のため、新しい靴を買ったのですが、それが裏目に出ました。

靴裏のゴムが、新品ゆえにグリップが良すぎて、
絨毯の上でやたらと引っかかるのです。
靴裏を気にしながらの表演は、審判の目にはぎこちなく映ったことでしょうね。

今回購入した靴も、来年の大会までには足に馴染むでしょうし、
グリップの加減もちょうど良いぐらいになると思います。

来年は優勝するぞ!
と誓って、本日はオシマイ。




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人は、ホントに「く」の字になって宙を舞う [太極拳]

本日も、太極拳思い出話を一席お付き合いください。

けっこう年配の人でなければ、知らないと思うのですが、
90年代初め頃、西野流呼吸法というのが流行ったことがあります。

もとバレーダンサーだった西野皓三氏創始した健康法で、
「対気」と呼ばれる「人が飛ばされる」パフォーマンスで有名でした。

初めて知ったのは、雑誌の記事です。そこに掲載された写真は、片手をサッと伸ばしたようなポーズをとる西野氏の斜め前方に、身体が「く」の字に曲げながら飛ばされている人の姿が!という、かなりインパクトのあるものでした。

その後、テレビなどでも盛んに取り上げられるようになり、実際に「動く対気」を目にしました。それは、太極拳の単推手の応用のようで、数度の押し合いのあと、師匠が「気」を発し、高弟が飛ばされるといったもの。

しかし、雑誌記事の静止画像のような迫力のものとは程遠い印象でした。
西野氏の相手をする高弟が、自ら地面を蹴って飛んでいるようにしか見えなかったからです。

「あんなのインチキだ」と当時のマスコミを騒がせた、このパフォーマンスですが、結論は「気に感応したい人だけが飛ぶ」といったようなものと記憶しています。ぜんぶがインチキではないが師弟間等でしか成り立たない技で、武術的な価値はないということです。

私も、そう思っていました。人は簡単に飛ばされるわけがないと。
さて、長い前置きでしたが、ここからが本題。

私がその頃、太極拳を習っていた大阪太極拳協会で、中国から陳氏太極拳の正宗継承者である陳正雷老師を招いた講習会ときのことです。

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陳正雷老師。ベースボールマガジン社刊 陳氏太極拳テキスト 表紙より

いつも一緒に練習している若い男性が、攻防のことで質問をしました。
すると陳老師は、その男性を呼び寄せ、推手を始めるような形で、手首、肘を触れ合いました。

「何が始まるのかな」と思った次の瞬間、陳老師の体がわずかに震えたかと思うと、その男性の身体は、弾き飛ばされたかのように宙に舞ったのです。
その飛行姿勢は、まさに「く」の字。しかも鋭角ぎみ。
2mぐらい飛ばされ、くの字姿勢のまま、お尻でランディングです。

陳老師の見事な早業に、周りで見ていた受講生たちは「ウォーッ!!」。
飛ばされた件の男性は、痛いお尻を抑えつつ、恥ずかしそうに頭を搔きながら、みんなのところへ戻っていきました。
老師への質問に対し、身をもって教えられたこの「答」を、この男性は生涯忘れられないことと思います。

この一件で、「やり方によれば、人は簡単に飛ぶ」と認識が変わりました
怪しげな気のやり取りに頼らなくても、掛けることのできる技として存在すると。

この講習会の会場でサインをして頂いた、陳正雷老師の著書「陳氏太極拳テキスト」は、この驚異の技目撃の記念として、今でも大切に保管しております

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「中央式太極拳」って、知ってます!? [太極拳]

今回は、私の太極拳の思い出話に、お付き合いください。

今から25,6年も前の話です。
私は三十代に入った頃、体調が優れない時期が続きました。
医者の診断は、「自律神経失調症」

処方された安定剤を飲み続けるも、あまり効果を感じず、東洋医学に助けを求めます。
半年間の鍼治療のあと、そのころブームであった気功教室へ。

そこで出会ったのが、「中央式太極拳」でした。

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中央式太極拳イメージ。アジア文化芸術連盟のサイトより引用

別名「 双辺太極拳」。日本柔拳連盟というところでは、嫡流の伝承者 地曳秀峰氏が「正宗太極拳」として指導されています。でも、日本の太極拳界全体から見ればマイナーな存在で、太極拳愛好者でも知らないという人が多いようです。

さて、中央式太極拳の成り立ちの説明です。
ときは1940年、第二次世界大戦を目前にした、不穏な空気が漂う時代背景を受け、南京中央国術館 副館長 陳泮嶺氏が中心となって、「各派の粋を集め、技撃力を高める」という目的で編成された究極の総合太極拳が作られました。それが「中央式太極拳」です。

その後、国民党政府の台湾への移動に伴い、陳泮嶺氏も渡台し、
台湾の地で広く普及していきます。

日本へは1959年、陳泮嶺氏の兄弟弟子であった王樹金氏によって伝えられています。
その頃の王樹金氏の強さは驚異的であったようで、数々のエピソードが伝わっています。
腕自慢の日本の武術家を子ども扱いにした、黒人ボクサーを一撃でKOした、等々。

私が教えを受けたのは、その王樹金氏の孫弟子の 李鴻儒という方です。

私がいた気功教室へは、「外丹功」という気功法の指導で来られたのですが、その時ついでに表演された「中央式太極拳」の方に、多くの生徒が魅了されてしまい、「李老師の教えを乞おう!」となったのが発端です。

套路(型)は99式という長いもので、演武するには20分程度かかります。重要な技は繰り返しも多いため混乱しやすく、順番を覚えるだけでも大変です。

また、李老師の教授法は、「きっちりとカリキュラムを組んで順番に」というものではなく、その時の「ひらめき」を大切にするスタイルであったため、「あれ、この間の説明と違うやん!」という事もよくありました。こっちの面でも皆さん混乱気味でした。

実戦派の流を汲むだけあって、李老師の推手は、時には過激な様相を呈します。
練功のかいあってか、体調も回復してきた私は、積極的に推手の相手を務めさせて頂きましたが、よく豪快にすっ飛ばされたものです。

試しに身体を打ってもらったこともあります。
「危ないから」ということで上腕部にしましたが、触れた状態からの軽い一打のはずが、想定外の痛さに、「うおっ!」という悲鳴とともにその場にうずくまったことを憶えております。

近頃はインターネットがあるので、李老師が今でも元気に指導されている様子を、うかがい知ることができます。長らくお会いしていませんが、私のこと少しぐらいは憶えていてくれてますでしょうか。

今私は、24式太極拳しか練習していませんが、久々に推手をお願いしたいものです。
ただし、歳も重ねたことだし、あの頃のように派手に飛ばされるのは勘弁いただきたいですが。


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32式太極剣 始めました! [太極拳]

太極拳にも段位があるのをご存知でしょうか?
もちろん公的資格ではありません。
日本武術太極拳連盟というところが出している、認定資格です。

同連盟は、日本の太極拳界における最大組織で、各都道府県の武術太極拳連盟を傘下に置き、さらにその下には膨大な数の下位組織や教室などが名を連ねています。

技能検定として、5級から1級、初段~4段(5段もできるみたい)
その他に、公認審判員や指導員などの資格があります。

趣味で個人が太極拳を練習していくことにおいては、こんな資格など無くても、何の差支えもありません。でも、太極拳を習得して人に教えたい、となれば話は別。習う側にとって、「先生」の技量を推し量るための、最もわかりやすい目安になるからです。

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私の剣です。刀身はジュラルミン製。もちろん刃はついていません。

私も、2年ほど前に、太極拳の練習を再開してからは、将来、人に教えることをにらんで、コツコツと技術認定資格を取り続け、現時点で1級まで進級してきました。いよいよ今年は初段の試験を受ける予定です。

初段までは、「24式簡化太極拳」ができれば受験できますが、
2段受験の際には、「32式太極剣」を覚える必要があります。

初段以上の試験は、年一度しか行われていないため、私の場合、今年初段に受かったとしても、2段受験は来年となります。

だから、あせって剣の型を覚える必要もないのですが、すごく興味が湧いてきたもので。徒手で演じる太極拳の套路(型)は、いくつも学んできたのですが、剣は持つことさえ生まれて初めてなもので、かなり戸惑っております。でも、面白い。

剣などの器械は手の延長であり、器械をうまく扱えるようになれば、おのずと徒手の技術も向上するのだそうです。そうと知れば、練習にも力がはいるというもの。

ますます太極拳の深みにはまっていきそうな予感です!


太極剣なんて興味ないよ、という方も、ここは情けで
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太極拳マスターを目指して! [太極拳]

私、太極拳マスターを目指して、2年ほど前から24式簡化太極拳を習っています。
「わずか2年ほどしか習っていない者が“マスター”とは、何を偉そうに」
という声が聞こえてきそうですね(笑)

でも、私の太極拳との出会いは40年前、高校生の頃にまで遡ります。

あの頃、ブルース・リーが大人気で、世の中ものすごいカラテブーム。
私もそれに巻き込まれ少林寺拳法に入門しました。

習っていくうちに、少林寺拳法はもともと中国の拳法(と、そのころは信じていました)だ、ということで中国拳法に関心を持ち始め、その手の入門書を買い集めました。中でも興味を引かれたのが「太極拳」だったのです。

その時買って、今でも大切に持っている本、
原著 楊澄甫 編著 笠尾恭二「精説 太極拳技法」(東京書店 刊)
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この本の中で、中国の人民服みたいな衣装を着た著者が、見たこともない不思議なポーズをとっていました。
これが、私と太極拳の出会いです。

当時は、まだ家庭用ビデオなどなく、この本に載っている形の分解写真をたよりに、何とか覚えようと熱心に練習したものです。そして通り一遍の流れは覚えたのですが、当然それがどの程度正しいのか判断できません。

そんな折、何かで「簡化24式太極拳1日講習会」があると知り、これだ!とばかりに参加をし、
はじめて「動いている太極拳」を目にしたのでした。
その日は、丸一日たっぷり学び、本で覚えていた動きの確認をしました。
その後、しばらくは熱心に自主練をしたように思いますが、やがて大学受験、大学での課題制作に追われる生活、という流れの中で、自然と練習とは縁遠くなりました。


でも、太極拳に興味を無くしたわけではなく、たまに形を忘れない程度には動いていました。
再び本気で学び出したのは、三十歳を過ぎたころです。

体調を崩し、医者にかかれば自律神経失調症との診断。処方された安定剤を飲み続けてもあまり効果がなく、半年間ほど鍼灸治療に通い、そのあとは気功教室へ入門しました。
そこで再び「動いている太極拳」に巡りあったのです。

気功教室が体に合ったようで、体調は徐々に良くなっていきました。そうなると欲が出るもので、24式をはじめ、42式総合、陳式、中央式といろいろな太極拳を学びましたが、やがて今度は仕事が忙しくなってきて、フェイドアウトするように練習から遠のいていったのです。


この時も、やはり太極拳に興味を無くしたわけではなく、たまには動いていたりしたのですが、形の流れを忘れずにおれたのは、24式だけでした。
そして月日は流れ、話はこの文章の冒頭の部分につながっていきます。


私の太極拳好きは、筋金入りだと分かって頂けたことと思います。
しかし、24式という入門形の奥深さに、本当に気付いたのは、今回改めて習いだしてからのことです。益々興味が湧き、好きになったのは言うまでもありません。
もっともっと深く学びたい。そして、この素晴らしいものの紹介者になりたい!

これが、私が「太極拳マスターになりたい」と言っている理由なのです!!


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二十四式太極拳 歩法に秘訣あり! [太極拳]

以前、中央式太極拳について書きました。
今年の目標の一つとして、中央式太極拳の再習得をあげ、練習開始!みたいなことを。

でも、やっぱりひとりで練習するのは寂しい、空しい、心もとない。
そういうことで、近所でやっている太極拳教室に入ることにしました。
ただし、そこで練習しているのは、二十四式太極拳です。

今でこそ、入門太極拳初級太極拳といった、短い入門型があるのですが、かつては多くの人が、この二十四式から練習を始めたもので、日本においても歴史は古く、最も普及している型だと思います。

じつは、わたしは、中央式太極拳を習っているころ、同時に大阪太極拳協会で二十四式太極拳も習っていたのです。当時、かなり熱心に練習したこともあり、この型はまだ忘れてはいません。だから、それなりに自信を持って、今回練習に加わったのですが・・・。

細かいところを、いかにいい加減に覚えてきたか、ということを思い知らされました。
とくに、基本中の基本であるはずの、歩法についての間違いを指摘されたのはショックでした。

太極拳では、歩を進めるとき、前に出した足は、踵から着地します。
そして、後ろ足に残していた体重を、徐々に前足に移して行きながら、技を決めます。
が、前足に体重を移す時には、先に足裏を地面にくっ付けてから、というのです。

知らんかった。
というより、あまり意識したことがなかった。
どうも私の場合、踵着地後、技を決めつつ、じわじわと足裏を地面に付けていく、という癖がついていたようです。

太極拳の秘訣の一つに、「虚実分明」という教えがあります。
簡単にいうと、「どっちの足に体重を掛けているかはっきりしろ」と言うことです。
私の場合、前に出した足が踵のみが地面に付いた、形の上では「虚」の状態で体重を移し始めていた、ということになります。

虚実分明」という言葉を知りながら、ちっとも体現できていなかったのです。
この先も、いろいろと新たな気付きがありそうです。
かつての入門型「二十四式太極拳」の、奥はそうとう深そうです!

太極拳 再び! [太極拳]

年始に立てた目標のうち、健康面の目標を「中央式太極拳の再習得」としました。
再習得というぐらいですから、以前は習得していた、ということです。

太極拳愛好者にとっても、「中央式太極拳」というのは馴染みのない名称かと思いますが、全日本柔拳連盟のいうところの「正宗太極拳」、一般的な別称「双辺太極拳」とよばれるもので、南京中央国術館副館長であった陳泮嶺が創始した太極拳の一派。日本へは伝説の達人 故王樹金が伝えました。

王樹金老師にいついては、その強さを物語る驚異のエピソードが数多く残されており、そのいくつかを紹介するだけでも相当なページ数が必要なため、これはまたの機会に。私は、この王樹金老師の孫弟子にあたる李鴻儒老師より教えを受けました。

中央式太極拳は普通に演じて20分ぐらいかかる大変長い型で、覚えるだけでも大変。でも、覚えてからが本当の意味での太極拳の修練といえます。大事なのは体の内側。意を込めて体を動かしながら気を練り上げていくための方便、それが型。だから、まず覚えてしまわないと始まらない、というわけです。

いやぁ、型って忘れてしまうものですね、ふだんやってないと。ビデオなど見ながらだと動けるのですが、何のガイドもないとさっぱり。特に後半へいくほど悲惨です。まあ、一年かけてじっくり復習していくとします。

最近は、太極拳の故郷である中国の評判が良くなく、日本での太極拳の愛好家も肩身の狭い思いをしていることと思います。でも、良いものは良いのです。長らく日本に住まわれて、太極拳を指導されている中国の先生方もたくさんいらっしゃいます。熱心に練習を続けている日本人の方もたくさんいらっしゃるのです。太極拳が、再び日中友好の架け橋となることを期待しつつ、さあ、練習!


中国の方とも、「個人レベルの付き合いだったら、きっといい友達になれる」と思っているあなた、
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