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NHK「人工知能・天使か悪魔か・2017」が怖かった件 [日常雑感]

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先日、NHK総合で「人工知能・天使か悪魔か・2017」という番組が放送されました。
いま“旬”のキーワードでもある「人工知能AI(artificial intelligence)」の現状と、今後について解説するといった内容でした。

本日は、この番組をご覧にならなかった方のために、その概要をお伝えしたいと思います。
そんなお節介を焼いてでも、シェアしたいと思う話だったもので 。。。
番組をご覧になられた方も、本稿は私見も挟んでいますので、受け止め方の違いを確認して頂けたら嬉しいです。
なお、貼り付けている画像は、すべて番組動画をキャプチャしたものです。


番組は冒頭、「電王戦」という人工知能 対 将棋名人の一戦の様子を伝えます。
将棋名人は、去年 羽生善治を破り、14年ぶりの新たな名人となった佐藤天彦(29歳)。
幼いころコンピューター将棋に出会い、腕を上げたという正に新世代天才棋士。
対する人工知能AIは、4年前に登場して以来、プロ棋士に負けたことはないというボナンザ。

nhkp.png
果たして対局の結果は、将棋名人の2局連続完敗でした。
「もう、人間では歯が立たない」ということで、
6年間続いた「電王戦」も、今回をもって終わりとなったようです。
さて、両者の勝敗を分けた要因は何だったのでしょうか?

じつはその答え、「経験値」という事になりそうなのです。
意外な答えでしたか!?

ボナンザの開発者 山本一成(31歳)は、若き天才プログラマー。
彼の手により、ポナンザには、自分自身で学ぶ「機械学習」が導入されています。プロ棋士の過去20年間分 5万局という膨大な対局譜が入力され、それを「教師データ」として人工知能は学習していきます。そうやって得た知識・知恵をもとに、ポナンザ同志の自己対局を、すでに700万回以上経験しているのです。

700万回の対局というと、月に3000回の対局をしたとしても、達成には2千年ほどかかることになります。どうです、圧倒的な経験値でしょ ∑(゚益゚*)
こんな経験、生身の人間ができるわけがないのです。

こうした、圧倒的な量の「教師データ」と「経験」が、人工知能の性能を驚異的に高めて行きます。
今まで知的な判断や創造的な仕事などは、人間しかできませんでした。
しかし、それがだんだん機械に置き換わりつつあるのです。
そんな例として、番組では実際に人工知能を取り入れた現場を取材していました。


業績が伸び悩む タクシー会社
この会社では、カーナビに人工知能を搭載したAIタクシーの導入を進めています。
地域や交通といった関連情報はもちろん、タクシー会社の過去の乗車実績なども教師データとして取り入れ、さらに情報はリアルタイムで更新されていきます。

nhk2.png
あるベテランドライバーは、「(機械による)需要予測だから、集まっている方が乗るかどうかは別問題」と半信半疑ながら人工知能を搭載した車で出発すると、予想に反して(?)効率良く乗客をつかまえ続けることができました。
どうもベテラン運転手の「長年の感」より、確かな手応えがありそうです。

その運転手は「使いこなすとありがたい武器になる」と便利さを受け入れた様子でしたが、「人工知能がさらに進化すれば、自動運転が可能になり、車からドライバー自体が消えることになる」という、血も涙もないようなナレーションが流れます。


株式市場の現実
今や東京の株式市場の取引の8割が、コンピューターによるものだそうです。日本最大の証券会社では、去年から人工知能を導入し、機関投資家の売買を、人工知能に任せています。
人工知能は、“1000分の1秒単位の変化から法則性を見つけ、5分後の株価を予測して利ざやを狙う”といったことを平然とやってのけ、自ら売買までも行います。

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「読みと反射神経を武器に、花形トレーダーが幅を利かせていたディーリングルーム」というのは、もはや過去の世界で、今やトレーダーは、人工知能の行う“目にも止まらぬ超高速取引”を、眺めるだけとなっているようです。


退職防止策が課題の 医療事務受注会社
患者の命にも関わる医療事務は、「間違いが許されない」という強いストレスで、非常に離職率の高い仕事です。
この会社では、年間2000人もの退職者が出ているため、対策として、新入社員への面談をこまめに行っているのですが、“退職したがっている人を面談では見抜けない”のが現状でした。
そこで、この5月から導入されたのが、面談の際に社員が書いた文書から“退職の予兆がある社員を見つけ出す”人工知能です。

nhk4.png
導入して1週間後、担当マネージャーに届いた人工知能の判定結果は、「3人に退職の予兆がある」というものでした。面談では、そのような兆候に気付くことはありませんでしたし、さらに驚いたことに、そのうち一人はマネージャーが期待をかけていた社員だったのです。

しかし、この人工知能は、書かれた文書の「内容」から、社員の「やめたい」という「感情」を読み解いたわけではありません。文章を細かく分解・整理してデータ化し、それを過去も含めた膨大な社員データと照らし合わせ、「行動」との関連性を冷徹に分析し、機械的に判断を下しただけです。


他にも、アメリカでは刑務所の受刑者の再犯率を人工知能で判断し、受刑者個々を管理しているという例や、シンガポールではバス会社が、AI事故予想システムで運転手の管理と業務評価をしている例、などを挙げていました。

また、政治家の汚職が蔓延する韓国では、AI政治家の開発という衝撃的なニュースを、表情を変えながら人と会話を交わす、アンドロイドのような人工知能の映像を交え、紹介していました。
Aii.jpg


さて、冒頭に登場したボナンザ開発者の山本一成氏に、話は戻りますが、
彼はインタビューシーンで、聞き捨てならないことを口走っておりました。

「私が(プログラムを)書いているのですけど、私の理解を超えつつあるのが今の人工知能です。これは将棋プログラムだけではなく、いろんな人工知能界隈で起きていることなのです」

おいおい、これって近い将来、人工知能が制御不能になるだろうけど、開発者にはどうすることもできません、っていう予言(無責任な宣言?)ではないですか∑(*゚Д゚ノ)ノ
nhk57.png

将棋界側からは、羽生善治名人が、
「人工知能が指す将棋」を通して、思うところを述べられていました。

「私たち棋士の直面している違和感は、人工知能の思考がブラックボックスになっていることです。膨大な情報を、どのように処理してその結論に至ったのかはわかりません。
社会が人工知能を受容していく中で、このブラックボックスの存在は、大きな問題になる可能性があると思います」。

ブラックボックスである人工知能が、人の人生を左右する判断を、すでに始めています。
人工知能は、答えは出しますが、その理由を示してはくれません。
そして開発者も、その説明ができないのです。


番組は次のような言葉で、締めくくっています。

人工知能は天使か悪魔か、今はまだ判らない。
ただ、言えることが、ひとつある。
その進化は、止まらないということ。
みなさん、心の準備はいいですか。


さて、いかがでしたでしょうか。
あなたは、人工知能が支配する世界で、明るい未来予想図を描けそうですか!?


最後に、天才物理学者 スティーブン・ホーキング博士の言葉を添えて、終わりとします。

人工知能の発明は、人類史上最大の出来事だった。
だが同時に、『最後』の出来事になってしまう可能性もある。


この記事を読んでくれた「あなた」が、
「人工知能」でない証として、
「自分の意志」で、
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コメント 29

viviane

人工知能・・・考えさせられますね
受刑者の再犯率を人工知能で判断する・・・だったら今息子の勉強している事も無意味になっちゃいそう(>_<)
by viviane (2017-06-28 00:12) 

hatumi30331

難しい問題やね。
私、映画大好きで、人工知能がかしこ過ぎて,世界征服を企むとか
大犯罪に関わるとか・・・
また反対に、人間を助ける心優しいAIが出て来たりと〜
色んな映画を見ました。
造る人間、使う人間次第と言うことになるかな?

今日は雨・・・梅雨やね。
by hatumi30331 (2017-06-28 06:08) 

みぃにゃん

なんだか機械が進んでいって人間が不必要になる時代も遠くないかも?って思えますね
by みぃにゃん (2017-06-28 07:44) 

ニッキー

人工知能に支配される世界・・・映画でそういうの何本もありましたよねぇ(*_*)
見極めが難しそうな問題ですねぇ(´・_・`)
by ニッキー (2017-06-28 07:53) 

リュカ

この番組見損ねたので、記事ありがとうございます!
おもしろかった!
使われてなくて眠ってる部分の脳みそを人間が使えるようになったらどうなるのかなーとか、ちょっと思いました^m^
人工知能がそれは阻止してくるかしら?
by リュカ (2017-06-28 10:57) 

トロル

いろんな意味で疲れてくると、たまに今日は感情無しで、
サクサク判断して先に進みたい!!
などと、あれこれ思い悩む自分を置き去りにしたくなります。
つまり冷徹なA.Iにスイッチして休みたくなるのかな…
でも、一晩休んで目が覚めて、、ん?って、理性の戻った自分が
後悔して後始末に時間を取られるようなことにはしたく無いし…。
生身の人間でも、A.Iぽい習慣を持つ人もいるだろうし、全くそうで無い心情の人もいるし、そのブラックボックスに蓄積される闇は、パンドラの箱のようですね。解明ならないと、箱の底に残っているはずの「希望」も見えないというか。
それにしても、せっかくの休日が眠くてたまらん!のには参ります。
なんかしよ〜っと。( ´ ▽ ` )ノ
by トロル (2017-06-28 12:24) 

くまぱんだ

ちょうど見ていたのですが、最後の方だけだったので、
うめむすさんの説明でよくわかりました~(*´艸`*)
ありがとうございます~♪
人工知能…電源が無ければ、人の手が必要になります…
(自然災害などで電力が使えなくなる状況もあるかも…)
その時の為に、人は準備しなくてはいけないし、人の能力を超えてAIに頼る世の中を作る必要は無いと思いたいです…(汗)
ただ、タクシードライバーさんが、乗りたいお客様を見つけるのに利用していた情報には、おぉー♪と思いました(笑)
人間の超えた発想があると思うので、こちらもそれを上手に利用していける環境ならいいな~と思いました☆彡
…ただ…世の中には悪用する人もいるので…賛否両論…なんとも…です…

by くまぱんだ (2017-06-28 14:54) 

いっぷく

人工知能の出す判断や結論の是非を
人間がジャッジメントできなくなる日がくる、
あるいはもうきている、ということでしょうか。
「ターミネーター」の世界が現実になりそうでぞっとしますね。
by いっぷく (2017-06-28 17:44) 

うめむす

viviane さま
息子さんは、法律関連の勉強をされているのでしょうか。
いずれにしても、機械ごときに負けてはなりませぬ!
息子さんの未来に、幸あれ(^o^)v
by うめむす (2017-06-28 21:11) 

うめむす

hatumi30331さま
SF映画の世界より、大変なことが起こっているようですよ(*_*)
鉄腕アトムみたいな、優しいAIの登場に期待しましょう!
それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ
by うめむす (2017-06-28 21:14) 

うめむす

みぃにゃん さま
本来は、人のためのコンピューター、
だったはずなんですけどね(-_-;)
by うめむす (2017-06-28 21:31) 

うめむす

ニッキー さま
しかし、自分でプログラミングしたAIが、自分の理解を超えるなんて、
ずいぶん滑稽な話だと思いませんか。
SF映画のような、人工知能に支配される世界出現を望んでいるのでしょうか。
by うめむす (2017-06-28 21:43) 

うめむす

リュカ さま
こちらこそ、拙い文章を読んで頂き、ありがとうございます。
ヒトの脳が100%覚醒したらどうなるか!?
それをテーマとしたSF映画が、すでにあるようです(私、観ていませんが)。

この先は、そんなミュータントみたいな人間と、神のごとく進化したAIの
世界の支配を賭けた、生き残り合戦の時代かもしれません
いずれにしても、一般の人たちは、
どちらかに支配されることになりそうですが(T-T)
by うめむす (2017-06-28 21:54) 

うめむす

トロル さま
元気ですか~っ! 元気があれば、何でもできる。
やはりトロルさんは、他とは違った角度からモノゴトを見ているようですな(笑)

「新しいパンドラの箱」を、今を生きる人間に用意したのは、
存在が定かではない、最高神「ゼウス」ではなく、
人間が作りだした、現実に存在する神「AI 」です。
いろんな災いは飛び出してくるでしょうが、底に残るものは何なのでしょう?

疲れが取れない時は、試しに足の裏を揉んでみてください。
とくに「湧泉」というツボが効果的です。
http://www.tenki.jp/suppl/romisan/2015/09/10/3011.html

トロルさんが挙げていた、セトリの中の5曲ですが、
私は「願い事」が良かったかな♪
数曲をサラッと聴いた印象は、やさしい系というより、切ない系でした。
今も涙が止まりません(;ω;)
ウソです。
by うめむす (2017-06-28 22:03) 

うめむす

くまぱんだ さま
私が書いた記事で、どれだけ伝わったか不安ではありますが、
読んで頂き、ありがとうございました。
人工知能に頼る世の中に、確実になっていくのでしょうが、
あらゆる事態に備えての、危機管理は非常に大事になってきますね。

AIが、人間のために役に立っているうちは良いですが、
気が付けば逆転していた、みたいなことが起きそうで怖いです。
状況は待ったなしでどんどん進みます。
しかし、その行き着く先は、開発者にも解らないはずです。
by うめむす (2017-06-29 01:50) 

うめむす

いっぷくさま
私、今回のような、硬いネタは不得意なのですが、
「これは伝えておかねば」と思い、書きました。
書くのに、めっちゃ時間が掛かりました。
「ターミネーター」の世界が来ていますよ、間違いなく。
by うめむす (2017-06-29 02:25) 

caveruna

私もこの番組見ましたよ~^^
by caveruna (2017-06-29 10:54) 

ゆうみ

とても怖いと思います。
プログラミングでできないことってなんだろう?

by ゆうみ (2017-06-29 11:24) 

うめむす

caveruna さま
よくできた番組でしたね。そんで、すごく怖かった。
私が書いた記事、番組の内容を伝えられていたでしょうか!?
by うめむす (2017-06-29 20:56) 

うめむす

ゆうみ さま
AIが、プログラマーの理解を超えていく、という点が一番怖いです。
いったい、この先どうなっていくのでしょうか・・・
by うめむす (2017-06-29 21:03) 

hatumi30331

沢山の質問ありがとうございます。
時間のある時、過去記事を覗いてもらうと分るんですが
私は、講座の講師を仕事にしています。
泉佐野女性センターを拠点に活動しています。
主に、男女共同参画の視点を入れた講座です。
小学生には4年向け 5年向け 5年向けのプログラムを作って
その授業を出前授業として、依頼があった学校に行ってやってます。
二人一組。 私は講師で、相方は助手です。
その流れで言うと、女性のための電話相談も長くやっています。
DVの被害者も加害者も出さない!と言うコンセプトの元に
活動しています。 特に子どもたちには重点を置いてます。
頭の柔らかいうちに。
だからいろんな団体にも所属。 
今回の総会は、人権を守る市民の会。副会長です。ちなみに副会長は10人いますけどね。(笑)
人権擁護委員もやってるので、人権教室にも行っています。
小学校3年生が対象です。
今日は、女性センターからのゲスとティーチャーで6年生に授業してきました。性別にとらわれ過ぎずに、自分らしく〜
自分も意見を持って、伝えたい相手にしっかり伝えられる人になって欲しいと言うような授業です。言葉で伝えるのは大切ですからね。
長々と書いてしまいました。
いつでも質問待ってます。(笑)

by hatumi30331 (2017-06-30 00:08) 

ゆきち

作った側の理解を超えているというのが怖い。
そんなもの作って大丈夫なのかと・・・。
何でもAIが予測してヒトはその通りにする、つまんない世の中になりそうです。
by ゆきち (2017-06-30 10:53) 

ぼっこ

必要か不要かを決めることは出来ませんが
恐ろしい事が現実として怒った時の対処の方法を
必ず同時に開発しておいて欲しいものです。
by ぼっこ (2017-06-30 11:03) 

caveruna

オッケーじゃないでしょうか^^
よくまとめられているちと思いました。
私も、開発者の「わからない・・・」のところで、
ゾッとしましたぁ。
by caveruna (2017-06-30 15:16) 

うめむす

ゆきち さま
AIに、何でも委ねる世の中になりそうですね。
頼れば頼るほど、ヒトの能力も衰えていく悪循環。
おそろしー!
by うめむす (2017-07-01 01:09) 

うめむす

ぼっこ さま
開発者は、そんなことも分かっている、
と、できれば信じたいですね。
by うめむす (2017-07-01 01:12) 

うめむす

caveruna さま
再度のご訪問、ありがとうございます。
開発者が、薄ら笑いを浮かべながら語る姿に、
「そら、あかんやろ!」と、心の中でつっこみをいれてましたよ。
by うめむす (2017-07-01 01:16) 

うっかりくま

これ、こんなに怖ろしい番組だったのですね。
個人情報も一元管理されつつあるから、病気や
適性、犯罪予測等できるようになりそうですね。
AI将棋なんて、練習用やゲーム用として販売する
以外、何か目的があって開発しているのではと
気になっていました。人間を超えていくテスト
ケースの意味合いもあるのか。。自分で自分の
首を絞めるために開発してどうする、と思うけど
世界的に流れは止められなそうですね。超SF..。

by うっかりくま (2017-07-01 20:10) 

うめむす

うっかりくま さま
今から2年ほど前、ヒトとコンピューターの将棋勝負は、まだ互角でした。
でも近い将来、ヒトは勝てなくなるだろうと言われていました。

そのころ、話題になっていたのが「2045年問題」というもの。
それは、コンピューターチップの性能が
1.5年毎に2倍になると予測した「ムーアの法則」に基づき、
2045年にはコンピューターの性能が、人類の脳を超えるという予測です。

どちらの予測も、相当前倒しになってきたようですね。
その流れは、今後ますます加速され、
専門家ですら予想の付かない未来へ、暴走していきそうです。超SF..。

by うめむす (2017-07-01 22:44) 

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