「中国武術雑誌」はどうなった。そしてインターネットの功罪をちょっと嘆く。 [太極拳]
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インターネットが普及していなかった頃、雑誌は貴重な情報源でした。
私が好きな「太極拳・中国武術」にも、かつては色々な専門誌がありました。
本日は、私の手元に残る数種の専門誌を中心に、その歴史を振り返ってみたいと思います。
但し、各誌の書評は、私の「独断」と「偏見」に満ちたかなり怪しいものであるとお断りしておかなければなりませんが。
1982年に公開されたリー・リンチェイ(ジェット・リー)主演の映画「少林寺」が大ヒット。たちまち中国武術の大ブームが起きました。
それを受けて、いくつもの中国武術関連の雑誌が創刊されます。
代表的なものを2誌あげておきます。
・中國武術 ベースボールマガジン社
太極拳をはじめとした、表演競技としての武術を中心とした編集の季刊誌でした。
印象としては「業界紙」。「こんな事がありました」的な記事が多かったように思います。
・武術(ウーシュウ) 福昌堂
マニア向けの「実戦的」とされる伝統武術を中心とした編集。故 松田隆智氏がよく寄稿されていました。八極拳や心意六合拳といった、それまであまり耳にすることもなかった拳種を、メジャーなものにした功績は大。ブームに乗って月刊誌としてスタートしたけれど、いつの間にやら季刊誌に。
両誌とも、私が本格的に太極拳を習いだした、90年代初期より購入しだしました。
正確には憶えていませんが、「中國武術」は90年代半ばには廃刊になったのではないでしょうか。「武術」の方は頑張ったのですが2004年冬号で休刊となっています。
1993年には映画「天地大乱」がヒット。主演のリー・リンチェイが再び脚光を浴び、中国武術にも注目が集まる中、満を持して、よりマニアックな雑誌が創刊されます。
・武藝 中国武術 BABジャパン
内容はかなり専門的に突っ込んだ記事が多く、この私が「読むのめんどくせー」と思うレベルでした。生ける伝説 蘇昱彰老師の記事が多かった印象があります。これも月刊誌→季刊誌→フェイドアウトみたいな流れで、わりと短命に終わったようです。
「武藝 中国武術」に遅れること約1年。孤高の太極拳専門誌が創刊されます。
・太極(たいちー) 長征社04.jpg
こちらは専門的を通り越して、宗教レベルの太極拳専門誌でした。創刊号は、徐才や馮志強といった中国武術界の錚錚たる名士から寄せられた祝辞が巻頭を飾り、華々しくスタートを切りましたが、2号で廃刊となってしまいました。
時は流れて2007年。中国武術ブームでも何なんでもないこの時期に、空手雑誌の姉妹誌として、久々に本格的な中国武術専門誌が創刊されます。
・J Kung-Fu [ジェイ・カンフー] CAMP
「JK Fan 空手道マガジン」の別冊という形で創刊。表演武術から伝統武術まで幅広く網羅され、内容も相当に深いレベル。おまけに記事に準拠したDVDまで付いているという凝り様です。あまりの充実度に、「力入りすぎやろ、大丈夫か?」と思ったのですが、予感的中。
2号が出ることもなく廃刊となってしましました。
そして2014年、新たなスタイルの太極拳専門誌が創刊されました。
・TAI CHI LIFE マーブルブックス
太極拳を取り入れた生活を提案する、どちらかといえば女性をターゲットとした編集のようです。どうも私のようなコアな太極拳好きには物足りない内容みたいですね、読んだことないけど。この雑誌、3号まで発行されましたが、止まっています。事実上廃刊でしょうね。
やっぱりこの手の専門誌は、バックでブームみたいなものがなければ存続は難しい、ということですね、残念ながら。
2016年、「武術」の福昌堂が倒産しています。原因は言わずと知れたインターネット普及による書籍・雑誌の売り上げ激減。活字好きにとっては、時代の波を感じるさびしい話です。
私は、時折思い出したように、古い雑誌を開くことがあります。
パラパラとページをめくる中で、ふと目にとまった記事に、当時の思い出を重ね合わせ悦に入る、なんてことは雑誌という紙媒体ならではのシチュエーションですよね。
このご時世でも、新店舗をオープンさせている大型書店ジュンク堂の例もあります。
やり方は「ある」という証だと思うのです。
紙媒体の雑誌という文化の火を、絶やさないでほしいと願うばかりです。
特に買いたい本がなくても本屋に行くのが好きだ、という方は
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インターネットが普及していなかった頃、雑誌は貴重な情報源でした。
私が好きな「太極拳・中国武術」にも、かつては色々な専門誌がありました。
本日は、私の手元に残る数種の専門誌を中心に、その歴史を振り返ってみたいと思います。
但し、各誌の書評は、私の「独断」と「偏見」に満ちたかなり怪しいものであるとお断りしておかなければなりませんが。
1982年に公開されたリー・リンチェイ(ジェット・リー)主演の映画「少林寺」が大ヒット。たちまち中国武術の大ブームが起きました。
それを受けて、いくつもの中国武術関連の雑誌が創刊されます。
代表的なものを2誌あげておきます。
・中國武術 ベースボールマガジン社
太極拳をはじめとした、表演競技としての武術を中心とした編集の季刊誌でした。
印象としては「業界紙」。「こんな事がありました」的な記事が多かったように思います。
・武術(ウーシュウ) 福昌堂
マニア向けの「実戦的」とされる伝統武術を中心とした編集。故 松田隆智氏がよく寄稿されていました。八極拳や心意六合拳といった、それまであまり耳にすることもなかった拳種を、メジャーなものにした功績は大。ブームに乗って月刊誌としてスタートしたけれど、いつの間にやら季刊誌に。
両誌とも、私が本格的に太極拳を習いだした、90年代初期より購入しだしました。
正確には憶えていませんが、「中國武術」は90年代半ばには廃刊になったのではないでしょうか。「武術」の方は頑張ったのですが2004年冬号で休刊となっています。
1993年には映画「天地大乱」がヒット。主演のリー・リンチェイが再び脚光を浴び、中国武術にも注目が集まる中、満を持して、よりマニアックな雑誌が創刊されます。
・武藝 中国武術 BABジャパン
内容はかなり専門的に突っ込んだ記事が多く、この私が「読むのめんどくせー」と思うレベルでした。生ける伝説 蘇昱彰老師の記事が多かった印象があります。これも月刊誌→季刊誌→フェイドアウトみたいな流れで、わりと短命に終わったようです。
「武藝 中国武術」に遅れること約1年。孤高の太極拳専門誌が創刊されます。
・太極(たいちー) 長征社04.jpg
こちらは専門的を通り越して、宗教レベルの太極拳専門誌でした。創刊号は、徐才や馮志強といった中国武術界の錚錚たる名士から寄せられた祝辞が巻頭を飾り、華々しくスタートを切りましたが、2号で廃刊となってしまいました。
時は流れて2007年。中国武術ブームでも何なんでもないこの時期に、空手雑誌の姉妹誌として、久々に本格的な中国武術専門誌が創刊されます。
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「JK Fan 空手道マガジン」の別冊という形で創刊。表演武術から伝統武術まで幅広く網羅され、内容も相当に深いレベル。おまけに記事に準拠したDVDまで付いているという凝り様です。あまりの充実度に、「力入りすぎやろ、大丈夫か?」と思ったのですが、予感的中。
2号が出ることもなく廃刊となってしましました。
そして2014年、新たなスタイルの太極拳専門誌が創刊されました。
・TAI CHI LIFE マーブルブックス
太極拳を取り入れた生活を提案する、どちらかといえば女性をターゲットとした編集のようです。どうも私のようなコアな太極拳好きには物足りない内容みたいですね、読んだことないけど。この雑誌、3号まで発行されましたが、止まっています。事実上廃刊でしょうね。
やっぱりこの手の専門誌は、バックでブームみたいなものがなければ存続は難しい、ということですね、残念ながら。
2016年、「武術」の福昌堂が倒産しています。原因は言わずと知れたインターネット普及による書籍・雑誌の売り上げ激減。活字好きにとっては、時代の波を感じるさびしい話です。
私は、時折思い出したように、古い雑誌を開くことがあります。
パラパラとページをめくる中で、ふと目にとまった記事に、当時の思い出を重ね合わせ悦に入る、なんてことは雑誌という紙媒体ならではのシチュエーションですよね。
このご時世でも、新店舗をオープンさせている大型書店ジュンク堂の例もあります。
やり方は「ある」という証だと思うのです。
紙媒体の雑誌という文化の火を、絶やさないでほしいと願うばかりです。
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2017-02-27 00:47
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